覇王ときどき革命

中国・清末民初のお話など

2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

紫禁城爆撃

中国の歴史は、地層のごとく分厚い。軍閥の時代、数千年続いた王朝の余熱は大地に生々しく残っており、乱世に生きる民の多くが新しい天子の出現を待っていた。「皇帝」がいつ復活してもおかしくなかった。 「覇王と革命」では、二度の皇帝復活劇を取り上げた…

歴史との距離感

毛沢東と、その死後に共産党の実権を握った鄧小平は、中華人民共和国史における突出した巨頭である。しかし、袁世凱、段祺瑞、呉佩孚、張作霖、蒋介石といった大軍閥たちが覇を争っていたころ、毛や鄧は、恐竜時代を生きる哺乳類のごとき存在だった。 蒋介石…

蔡鍔出奔(しゅっぽん)--脱兎のごとく

史書を読んでいると、時に、何かの音が聞こえてくることがある。 1915年12月、昭威将軍・蔡鍔(さいがく)が、西南の辺境に位置する雲南から、北京の皇帝・袁世凱に反旗を翻した。帝制取り消しを求め、雲南独立を宣言したのである。遠雷が聞こえたよう…

張作霖の「治家の道」

遼寧省瀋陽に残る張作霖・張学良父子の執務楼兼居館・張氏帥府(「覇王と革命」では大帥府と記している)に、「張作霖治家之道」と題するパネルがある。6人の夫人、14人の子女がいた張作霖が定めた夫人のための家訓十条で、非常に興味深い。紹介しよう。 …

赤蛇と竜と蝦蟇(がま)

「覇王と革命」で、1915年の冬の夜、袁世凱の居館、中南海の居仁堂に大きな赤蛇が現れたという言い伝えを紹介した。赤蛇は、袁にお辞儀して消えたという。 ある方に「ほんまかいな」と聞かれた。苦笑するしかない。が、もちろん、「ほんま」と言えること…