覇王ときどき革命

中国・清末民初のお話など

2017-01-01から1年間の記事一覧

書きたい歴史

混じり気のない史実が客観的法則で束ねられる学術論文には、鉱物のような美しさがある。 事実によって隠された真実をあぶりだすノンフィクションは、人を戦慄させる力を持つ。 小説や詩歌などの文学作品は、魂の喜びをもたらしてくれる。 『覇王と革命』や『…

『覇王と革命』と『張作霖』、電子版になりました

もともと、紙の本が好きだ。視覚も、匂いも、手触りも。厚みによって読んだ量と未読の分を確認する楽しみもある。これは、終生変わらないだろう。 しかし、北京に暮らしているいま、電子書籍がない生活も考えられない。新書ほどの大きさのリーダーには、全四…

「やあ、プルートウ」

小学生のころ、手塚治虫の『鉄腕アトム』が大好きだった。国語の教科書にも、算数のノートにも、教室の黒板にも、家の前の砂浜にも、アトムの顔を描いていた。 数あるお話の中でも、「地上最大のロボット」という回には特に興奮した。ストーリーは、今もはっ…

最も美しい碑

北京の繁華街・王府井の北にある小さな胡同(フートン)で、民家の脇に残る石碑を見せてもらった。人の高さほどもある碑面にびっしりと彫られた古い文章は、自分の語学力では、とても読めない。目で漢字を拾って、お目当ての文字を見つけた。 確かに「法華」…

『張作霖』のこと

北京に来て一年半ほどになる。 自宅から10分ほど歩いた東便門付近に、1キロ余りにわたって明清時代の城壁が残っている。かつて、この一帯には、分厚い壁を風よけのようにして、庶民の小さな家が密集していた記憶がある。2008年北京五輪を前に再開発さ…