覇王ときどき革命

中国・清末民初のお話など

張作霖の「治家の道」

遼寧省瀋陽に残る張作霖・張学良父子の執務楼兼居館・張氏帥府(「覇王と革命」では大帥府と記している)に、「張作霖治家之道」と題するパネルがある。6人の夫人、14人の子女がいた張作霖が定めた夫人のための家訓十条で、非常に興味深い。紹介しよう。 …

赤蛇と竜と蝦蟇(がま)

「覇王と革命」で、1915年の冬の夜、袁世凱の居館、中南海の居仁堂に大きな赤蛇が現れたという言い伝えを紹介した。赤蛇は、袁にお辞儀して消えたという。 ある方に「ほんまかいな」と聞かれた。苦笑するしかない。が、もちろん、「ほんま」と言えること…

徐樹錚の情景

きょうは徐樹錚(じょじゅそう)の命日だ。 段祺瑞の側にあって軍閥の時代を動かした希代の軍師は、1925年12月30日午前1時半ごろ、当時北京を支配していた馮玉祥の命によって、北京郊外・廊坊の駅に停車した特別列車から降ろされ、駅近くで射殺され…

はじめに

最近、白水社から「覇王と革命」という本を出した。1915年から1928年までの中国、軍閥混戦と呼ばれる時代の歴史を書いた。これまで、「悪者」の一言で片付けられ、十把ひとからげに「軍閥」と呼ばれてきた人々が主役となった20世紀初頭の十数年は…